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【簡単更新】WECスパ、トヨタとノンハイブリッド

 

Rebellion Racing R13 Gibson

Photo: MPS Agency (Sportscar365

先日のWEC18/19開幕戦スパ6Hと、トヨタとノンハイブリッド勢との差について、ツイート風にまとめたいと思います。

 

  • 案の定だったトヨタ圧勝。これまで投入してきた予算&リソースがプライベーターとは桁違いなので、多少の性能調整ではどうなるものでもありません。おまけに直前にEoT (Equivalency of Technology/GTでのBOPのようなもの) がトヨタ有利に緩和されたわけで(LMP1 Non-Hybrids Slowed in EoT Change – Sportscar365)当然の結果でしょう。

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経験値はスペシャリストに優る

 

Marcus Armstrong leads Verschoor and Shwartzman

Marcus Armstrong leads Richard Verschoor, and Robert Shwartzman at round one of the 2018 Toyota Racing Series (Photo:Driven by Matthew Hansen)

今年もこの時期恒例のToyota Racing Series (TRS) が開催されています(デイトナ24Hではないのね^^;) TRSは”真夏”のニュージーランドで行われるジュニア・シングルシーターシリーズ。5ラウンド全15戦を5週連続で行う短期決戦です。シャシーはFIA F3の安全基準に則ったタトゥースFT50。エンジンはトヨタのプロダクションモデル2ZZ-GEをレース仕様に改良したもので約200馬力を発生。燃料にはE85バイオエタノールが使用されています。ギアはSadev製6速パドルシフト、タイヤはミシュランのワンメイクで、性能的には概ねFルノー以上、現行F3未満と考えると良いでしょうか。

ちなみにシリーズ中の1戦にはニュージーランド・グランプリの冠が付されていますが、FIAからF1以外で”グランプリ”の承認を受けているのはマカオGPとこのニュージーランドGPのみです。

 

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クラス1世界選手権を夢想する

 

DTM and GT500 at Hockenheim

DTM x GT500 at Hockenheim(Photo:AUTOSPORT WEB

メルセデスのDTM撤退発表により先行きが不安視されていたDTMとSuperGT (SGT) のコラボレーション、いわゆる”クラス1”ですが、それぞれのシリーズ最終戦でお互いの車両がデモランを行うなど、ここに来て危機感がむしろ双方の結束を強めているようにも見えます。結果的にではありますが、F1という”重荷”のため新エンジン移行に消極的だったメルセデスがいなくなることで、LMP1撤退で”身軽”になったアウディと、世界選手権のワークスプログラムを持たないBMWにとっては、むしろ動きやすくなったと言えるのかもしれません。

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2017ル・マン雑感

 

今更ながら、ル・マンの雑感をば。

 

LMP1:ドイツ勢の天下はいつまで続く?

今年もル・マンは日本勢に冷たかったですね……。クルマは91年のマツダ、チームではマツダと04年のTeam GOH、ドライバーとしては95年の関谷さんと04年の荒聖治。自動車大国ながら、ル・マンで総合優勝を達成した日本勢はこれだけです。トヨタが勝てばいずれも更新することになるのですが……。

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ココがヘンだよ、ニッポンの育成プログラム(2)

約20年前に国内の自動車メーカーがそれぞれ育成プログラムを始めましたが、その目的は国際舞台で通用・活躍できるドライバーの育成だったはず。しかし実際に目的を達成したと言えるのは、佐藤琢磨、中嶋一貴、小林可夢偉の3人のみでしょう。他には短期間、松浦孝亮や武藤英紀がインディに参戦した程度。国際レースにもいろいろありますが、いわゆる”トップカテゴリー”でそれなりに活躍した日本人ドライバーというと、残念ながら彼らくらいしか思いつきません。約20年もやってきてのこの結果は、成功と言えるのでしょうか?

例えばイギリス人やフランス人、ブラジル人などは世界中の様々なカテゴリーで活躍していますが、F1はもちろんDTM、WTCC、GTEプロ、WRXなどで活躍している日本人ドライバーを、ぼくは寡聞にして知りません。インディの琢磨にしても実力でシートを勝ち取っているというよりは、ホンダのサポートでなんとか維持しているのが実情では?

結局、現状の国内育成プログラムは、各メーカーによるGT500/SFの自社ワークスドライバー育成システムでしかないんですよね。

その証拠に、現在のGT500/SFは各メーカーの育成システム出身ドライバーで埋め尽くされています。世界に進出するドライバーがいない上に、トップまで辿り着くと余程の成績不振でない限り切られることもないので、上が詰まり増える一方。弊害としてGT300でどれだけ活躍しても、育成枠以外は500へステップアップできないという、競争としてはなんとも不健全な状況に陥っています。

GT500とクラス1規定を共有するDTMの場合、今シーズン主に参戦した24人中、地元ドイツ人は”たったの”7人しかいません。インディでは、今年フル参戦した20人中、こちらも地元アメリカ人は”たったの”7人です。いずれも自国のドライバーは約3割程度しかいないんですね。高性能なクルマを操るトップカテゴリーですから、世界中から限られたハイレベルなドライバーが集まりシート争奪戦は熾烈。自国出身という理由だけではそうそうシートは獲得できません。

翻って日本を見てみると、GT500ではレギュラードライバー30人中、日本人は実に22人(!) SFでも19人中12人と全体の約6〜7割にも達します。当然ほぼ全員が、メーカー別育成プログラムの出身者、HFDP/TDP/NDDPのサポートを受けたドライバーで占められています。

もちろん地理的、文化的環境も考慮する必要があるので、一概には断言できないのですが、それでもこの自国ドライバーの多さは異常に映ります。同じ国内シリーズでもBTCC、NASCAR、豪スーパーカー、ストックカー・ブラジルなどが比較対象であれば、それほど差異は生じませんが、これらは開催規模はともかく、マシンの性能的には明らかにGT500/SFより下です。GT500/SFと競合するのは、そんなロースペックなカテゴリーなんでしょうか?

 

 

自動車メーカーのサポートはある種”諸刃の剣”でもあり、皮肉なことに日本人ドライバーが国際的に活躍できない理由の一つにもなっていると考えます。あまりにメーカーの”色”が強過ぎるんですね。

前回も述べた通り、欧州ではメーカーはF3などで”スカウト”するのが一般的です。しかし日本人が欧州のジュニア・フォーミュラに参戦する場合、”Honda Protege””Toyota Protege”とメーカーの”色”が最初から付いてしまっています。もちろんレッドブルやフェラーリのサポートを受けているドライバーもいますが、彼らの場合はF1が唯一絶対の目的であって、F1に上がれない時点でサポートは打ち切られるのが普通です。その時点で”色”はなくなり、新たな目標を定め直すことになります。

それに対して日本人ドライバーは過去の経緯から、F1に上がれなければ日本に戻ってSGTやSFをやるものと欧州の関係者から認識されています。マックス・フェルスタッペンのような、余程とてつもない活躍でも見せればまた別でしょうが(そもそもその場合はF1に上がれます)、日本に戻ってホンダやトヨタのワークスドライバーになるのがわかっていて、わざわざスカウトする欧州メーカーなどありません。メーカーの”色”があまりに強過ぎるんですね。

日本のモタスポ界も星野さんや長谷見さん、中嶋さんなどの時代は、レースで好成績を収めてメーカーからスカウト→ワークス契約を勝ち取るという”ごくごく当たり前のシステム”でした。しかし今は、スクールでスカラシップを獲得(入社)→F4, F3(平社員)→GT300(係長)→GT500(課長)→ワークスドライバーとして定着(モータースポーツ部長)など、まるでサラリーマンのように社内で昇進して行くだけです。こんな歪な形は世界的に見ても日本くらいでしょう。

先日オートスポーツ誌のコラムで大串さんが「速いドライバーは育成では作れない」「”育成システム”でなく”淘汰システム”であるべき」と書かれていましたが、全く同感です。今の日本の年功序列的、家族主義的な環境のままでは、50年100年経ってもF1チャンピオンなんて生まれないでしょうね。