ルクレールが初のGP3~F2連覇か? 2017 FIA F2プレビュー

さて、こちらも開幕後のプレビューです(^^;)

昨年はシリーズ参戦初年度のPrema Racingが、シリーズ史上初のドライバーズ1-2独占と圧勝した”GP2改め新生FIA F2”ですが、今シーズンも彼らの強さは続くのでしょうか?

 

本命Premaは変わらず。LeclercはGP3と連覇?

今季のPremaはCharles Leclerc(モナコ)&Antonio Fuoco(イタリア)というルーキー二人を起用しました。いずれもフェラーリ・ドライバーアカデミーに所属し、Leclercは昨年のGP3チャンピオン、Fuocoも同3位と好成績を残したコンビです。

開幕ラウンド・バーレーンでは早速フロントロウを独占。Fuocoは規定違反が見つかり降格となったものの、Leclercはレース1で表彰台、レース2ではピットストップしながらのごぼう抜きで初勝利を挙げ、早くもタイトルの本命に躍り出ました。開幕戦を見る限り、今年もPremaがシリーズをリードして行くのは間違いなさそうです。

ちなみにこれまでGP3とGP2を連覇したドライバーはまだ一人もいません。今後、FIA F3との合併によりGP3は消滅する可能性もあり、Leclercが最初で最後の連覇を達成するのでしょうか?

 

RowlandはDAMSの体制次第か

そんな彼らの対抗馬と見られるのは、DAMSに移籍した2年目のOliver Rowland(イギリス)15年にFルノー3.5でチャンピオンに輝いた後、昨年MP MotorsportからGP2にステップアップ。実績の乏しいチームながら、中盤のシルバーストーンを終えた時点でランキングトップに立つ活躍を見せました(最終的には9位)

RowlandはFルノー2.0および3.5時代、日本で今”旬”なPierre Gaslyとタイトル争いを演じたライバル。FルノーEurocupではGaslyがチャンピオンでRowlandは2位(ちなみに3位はエステバン・オコン)、翌年の3.5では、Gaslyは未勝利ながらランキング2位、Rowlandは2勝を挙げたものの4位でした(チャンピオンはカルロス・サインツJr) この二人が再び相見えるところを見てみたいですね。

ただ一つ気がかりなのはDAMSの体制面。Formula E開始以降、チームの主力はそちらに注がれており、実際この2年間タイトル争いとは全く縁がありません。現状ではPrema優勢は間違いなく、相当なインプルーブがなければ、タイトル奪還は厳しいでしょう。

 

最後のチャンスに賭ける松下

その他、注目のドライバーを挙げると、Russian Timeに移籍した2年目のLuca Ghiotto(イタリア)と3年目を迎える松下信治。それに昨年GP3でARTのチームメイトだったAlexander Albon(タイ)とNyck de Vries(オランダ)、Formula V8 3.5 2位のLouis Deletraz(スイス)のルーキー3人でしょうか。

GhiottoはGP3時代、チャンピオンは獲れなかったものの、エステバン・オコンよりPP数・勝利数とも上回った速さの持ち主。昨年はTridentという弱小(失礼!)チームながら1勝&ランキング8位を獲得しました。Russian Timeはレースペースに定評があり、開幕ラウンドでもレース1でArtem Markelovが優勝、レース2でGhiottoが2位に入っています。予選ペースさえ改善されれば、対抗に躍り出ても不思議ではありません。

松下にとっては間違いなくF1へのラストチャンスとなります。今年スーパーライセンスの基準を満たせなければ、彼の欧州での活動は間違いなく終了でしょう。

上位を走る速さ自体はあるのですが、レース・マネージメント(と言ってもFIA F2の場合、ほぼタイヤ管理)が不得意なのと、つまらないミスが多いのが難点です。昨年は特に自らのミスでせっかくのチャンスをフイにする場面が多く、そこが改善されない限りトップ3はかなり難しいでしょうね。

そもそもジュニアの同一カテゴリーで、同じチームに3年以上在籍するのは、あまり誉められたものではありません。ART Grand Prixはこの10年間でタイトルこそ二度(09年ニコ・ヒュルケンベルグ、15年ストッフェル・ファンドゥーン)に止まっていますが、ジュール・ビアンキ、エステバン・グティエレス、昨年のセルゲイ・シロトキンなど、毎年常に一人はトップ3に送り込んでいる強豪です。そんなチームで3年間一度もトップ3にも入れないなら、F1など望むべくもないでしょう。

 

シリーズ全体を見渡すと、昨年のトップ6のうち5人が卒業したことで、総じて小粒感は否めません。エントリーもCarlinが撤退して10チーム20台に減少しており、競技レベルは昨年より若干低下しているでしょう。それでもFIAの冠が付いたことで、F1に最も近いシリーズとしての地位はむしろ盤石になったと言えます。