新LMP2はル・マンで8〜9秒速い?

G-Drive Racing Oreca 07 ( actu-moteurs.com )

スペインのモーターランド・アラゴンで行われたダンロップのプライベートテストによれば、今シーズンのWEC LMP2は新規定マシンの導入により、大幅に高速化しているようです。

LMP2では、昨年まで独自シャシーでの参戦も可能でしたが、今年から禁止され、4つのマニュファクチャラー(オレカ、リジェ(オンローク)、ダッラーラ、ライリー/マルチマティック)からの選択制になりました。ただ結果的にWECにエントリーした5チームはいずれも、オレカ07を2台ずつ選択したため、今シーズンに関しては事実上のワンメイクとなります。

一方、エンジンはこれまでニッサンが圧倒的シェアを誇っていましたが、今年からはギブソン・テクノロジー(旧ザイテック)のワンメイクとなります。

Gibson GK428 LMP2 engines ( Gibson Technology )

ギブソン製4.2リッターNA V8の新エンジン”GK428”は約600馬力を発生、シャシーのダウンフォース増加と合わせ、まだ開発の初期段階にも関わらず、昨年の冬に同じくアラゴンで行われたテストと較べて、1周あたり3秒以上短縮しています(16年=1分25秒4 17年=1分22秒4)

しかも第1&第4セクターでは、既に昨年のLMP1-Lを上回るタイムを記録。バックストレートでもたった0.5秒の遅れしかなく、エアロの進化がコーナリング速度の大幅な上昇をもたらしています。

アラゴンでのラップタイムは、最終的に昨年型LMP1-L (Rebellion R-One AERおよびByKolles CLM P1/01 AER) のわずか0.8秒落ちでした。

Rebellion Racingのチームマネージャー、Bart Haydenは「ここアラゴンでのタイム差は、昨年の我々のLMP1-Lマシンの1秒以下でしかない。新規定によって、今年のLMP2は非常にコンペティティブなシーズンになるだろう」と語っています。

DC Racingのチームマネージャー、Gary Hollandも「昨年までとの違いは非常に大きいよ。タイヤの構造も空力も昨年とは全然違う。パワーデリバリーも昨年までのニッサンとは全く違うね」と言います。

今シーズンJOTA Sportに代わってG-Drive Racingの運営を担う、TDS Racing代表のXavier Combetも「クルマは昨年よりはるかに速い。素晴らしいよ!」とコメント。

「今や我々はLMP1に迫っていると思うよ。ル・マンが楽しみだね」

 

ル・マンでは8〜9秒短縮か

当然ながら1周5.344kmのアラゴンでの3秒短縮は、1周13.629kmのル・マンでは、はるかに大きなタイムアップを意味します。

Signatech Alpineの技術チーフ、Lionel Chevalierによると、ル・マンでは昨年より1周およそ9秒速くなるだろうとのことです。タイムにして、およそ3分27秒辺りではないかと。

ちなみに、昨年のル・マンで最も遅かったLMP1-H車両のタイムは3分22秒8でした。またLMP1-L最速は3分26秒5です。LMP1-HとLMP2の参戦コストを考慮すると、ハイブリッドを搭載し1000馬力以上のパワーを誇るLMP1-Hと、ル・マンで5〜6秒しか違わないというのは、かなりのコストパフォーマンスと言えるのではないでしょうか。

「ラップタイムは大きく向上している。ここ(アラゴン)で3秒も速いなんてすごいことだ。ル・マンでは更に大きく短縮するだろうね。昨年より8秒〜9秒くらい速いのではないかな」とChevalier。

「巨大な進化だよ。ジェントルマンドライバーにとっては、もはや行き過ぎかもしれない。LMP1とLMP2の差は確実に縮まるだろうね」

「チャンピオンシップにとっては良いことだが、それぞれのクラスへのリスペクトも必要だ。ポルシェの後ろで、我々のクルマが昨年より4〜5秒も速く走っていたら、彼らはきっといい気分じゃないだろうね」

 

original:Analysis: How much faster are this year’s LMP2 cars?

official:FIA World Endurance Championship