ミッドシーズンレビュー(1):GP2

昨年のStoffel Vandoorne圧勝とは打って変わり、今シーズンのGP2は開幕前の予想通り、本命不在の大混戦となっています。

手前味噌ながら当方のプレビューでタイトル候補に推した二人、Sergey Sirotkin(ART)とPierre Gasly(Prema)が現在同ポイントでチャンピオンシップをリードしています。どちらもスタートは出遅れたものの、7月の4連戦、特に直近の2ラウンドで一気に勢いに乗ってきました。所属チームの体制を考えても、このままタイトル争いの軸になるのは間違いないでしょう。

その一方で、私が本命に挙げていたAlex Lynn(DAMS)はここまで2勝こそしているものの、バクー以降精彩を欠きランキング9位と低迷しています。先日のホッケンハイムでは復調しましたが、DAMSの成績自体も昨年から下降気味で、FEへの注力やGP3とのダブル参戦開始の影響があるのでしょうか?

ルーキーではAntonio Giovinazzi(Prema、FIA-F3 2位)がバクーで2連勝するなど現在ランキング4位、Oliver Rowland(MP、FR3.5チャンピオン)は未勝利ながらコンスタントに上位入賞を繰り返し、一時はランキングトップに立つなど(現在は5位)初年度から活躍しています。Luca Ghiotto(Trident、GP3 2位)もここ数戦、光る速さを見せており、いずれも来シーズンが楽しみな存在です。

チーム別に見ると、新規参入の名門Prema Racingが一時ドライバーズで1-2を形成するなど、初年度から遺憾無くその強さを発揮しています。ARTからチーフエンジニアを引き抜くなど、体制強化の効果がハッキリと出てますね。またRussian Time(RT)とRacing Engineering(RE)は今年も上位で高値安定しています。どれだけドライバーが変わっても毎年上位にいるというのは、それだけベースのチーム力が高いということでしょう。

一方、先述の通り名門DAMSが7位に低迷。同じくCarlinとArdenの英国勢も、ブービー&最下位という名門らしからぬ順位に落ち着いています。CarlinはGP3撤退に加えFIA-F3でも不振で、現状では米国での活動に主軸が置かれているのかもしれません。

日本注目の松下選手ですが、モナコのスプリントレースで優勝、FLも3回獲得してはいるのですが、現状では来年のF1昇格は99%無理でしょう。速さ自体は決してライバルに引けを取らないのですが、かと言って何か飛び抜けているわけでもなく、残念ですがたとえF1に行ってもペイドライバー扱い、バックマーカーで終わるのが関の山です。ホンダがどうしてもF1に乗せたいなら3年目の可能性もありますが、個人的にはF1昇格?のVandoorneと入れ替わりで、ダンデライオンからSF参戦というのが、順当のような気がしますね。

さて、タイトル争いは同点首位の二人から5位Rowlandまでが僅か14点差の大混戦です。12位の松下選手まで加えても差は50点程度なので、1ラウンドで最大48点獲得できることを考えると、1戦ごとに大幅に順位が入れ替わる可能性もあります。ただチーム力を考えるとMPのRowlandは少々厳しく、やはり地力のあるPremaとART、GaslyとSirotkinが中心になるでしょう。そこに安定のRTとREのドライバーたちやLynnが絡んでくる展開でしょうか。