Formula V8 3.5、17年からWECのサポートレースに。新FIA-F2のベース?

Formula V8 3.5が2017年、WECの少なくとも6戦でサポートレースを務めることが発表されました。シルバーストーン、スパ、ニュルブルクリンクの欧州戦に加え、なんとメキシコ、日本、バーレーンと欧州外にまで遠征するということです。

F3.5 to become WEC support series in 2017

この決定に合わせて、2017年のランキング上位3名には、シーズン終了後にバーレーンで行われるルーキーテストにLMP1、LMP2、GTEのいずれかで参加する権利が与えられるとのこと。また現在多くのラウンドを併催しているInternational GT Open/EuroFormula Openとは、今後も提携を継続するようです。

プロモーターであるRPM Racing代表のJaime Alguersuari Sr(元F1ドライバー、Jaime Alguersuariの父)は「ポルシェ、アウディ、トヨタをはじめ、世界的自動車メーカーの面前で、若手ドライバーが実力をアピールできることを大変喜んでいる」とコメント。確かにメーカー等の育成プログラムに選ばれるか、大金を積むしか可能性のないF1より、若手ドライバーにとっては魅力的な選択肢となるかもしれません。

驚いたのは欧州外への遠征です。バーレーンはまだ地理的には比較的近いですが、まさかメキシコと日本まで行くとは全く予想外でした。GP2と較べても小規模なチームが多いだけに、予算は大丈夫なのかと心配になってしまいますが、どうやら昨年RPMを買収したDentsu Aegis Network(名前の通り日本の電通の海外本社)が遠征分のコストを負担するようです。

さて、このニュースを額面通りに受け取れば、ルノーの撤退によって厳しい状況に置かれているFormula V8 3.5が、シリーズの維持・発展のためにWECと手を組んだ、ということになるでしょう。先日のシルバーストーン・ラウンドではエントリーが13台にまで減少しており、シリーズの勢いをなんとか取り戻そうという施策ではあります。

ただ一方で気になるのが、FIA世界選手権との提携という部分です。もしかしたら水面下ではFIA-F2化に向けた交渉が行われているのでは?と邪推してしまいます。

まだ存在すらしていないにも関わらず、スーパーライセンスポイントでは最高点が与えられているFIA-F2ですが、これまでGP2のプロモーターであるブルーノ・ミシェルとジャン・トッドの間で、GP2をベースに創設する交渉が続けられてきました。しかしFIAの影響下に入ることを嫌うバーニー・エクレストンがこれに反対しているようで、交渉は滞っています。エクレストンはFIA傘下に入ると、ルール等あらゆる事項を決定する際に、全てFIA World Motor Sport Councilを経なければならないため、現状通り運営されることを望んでいます(ちなみに現在のGP2のオーナーはF1と同じくCVCです)

下の記事ではFIAがゼロからFIA-F2を立ち上げる方向に傾いているのでは?と推測しています。

FIA could go it alone with new Formula 2 plan amid GP2 impasse – GP2 – Autosport

FIA Single Seater Commission委員長のステファノ・ドメニカリは、まだGP2との交渉は続いているとコメントし、F3.5をベースとする可能性を否定していました。しかしここに来ての、FIA世界選手権との提携ですから、状況が変化した可能性は十分あるでしょう。実際、2009年〜12年に行われていた旧FIA-F2は、FIA-GTやWTCCといったFIA世界選手権のサポートレースとして組み込まれていました。同様にWECに組み込まれても不思議ではありません。

前身時代も含めれば1998年から続いている伝統あるシリーズは、今後どうなるのでしょうか?