Tech3代表、サテライトチームの現状を嘆く

Tech3 YAMAHAの代表Herve Poncharalさんが、誰もが即ファクトリーチームへ行きたがる現状を嘆いておられます。

Tech3は長年、YAMAHAのサテライトチームとしてMotoGPで活躍してきました。ファクトリーとサテライトは、現在のF1で言えばフェラーリとハースの関係が最も近いでしょうか。MotoGPの場合、カスタマーバイクが認められているので、あくまで参考ですが。

MotoGPには長年、Honda、YAMAHA、Ducatiの3メーカーが参戦し、近年そこにSuzuki、Apriliaが加わって現在は5つのファクトリーチームが参戦しています。2017年には更にオーストリアのKTMがワークス体制で参戦します。

現在Tech3に所属するBradley SmithとPol Espargaroは、いずれもそのKTMへの移籍が決定しています。チームは代わって現Moto2ライダーのJonas Folger起用を発表しましたが、少なくともEspargaroの残留を望んでいたPoncharal代表は、失望を隠せない様子です。

「今は幸福な人間でもチームマネージャーでもないよ」

「シーズンの始めにBradleyを失い、今度はPolだ。(来シーズンの競争力について)懸念しているよ。チャンピオンシップ自体は何事も良い方向に向かっているとは思う。共通ECUを導入しようとプッシュしてきたりね」

「その結果、現在の独立チームは過去何年もと比べて、確実に最もファクトリーに近い性能のバイクを有している。我々のバイクもファクトリーチームとほぼ同等だ。しかし今の若くて速いライダー達にとってはファクトリー以外は意味がないんだ。理解しがたいことだよ。我々はここ数年Bチームだった。でも今ではCチームだ」

「ウチのバイクはとてもコンペティティブだ。それなのに誰も乗りたがらないんだよ…………」

PoncharalさんはYAMAHAからのサポートに感謝していると同時に、もはやチームはYAMAHAファクトリーチームへのルートではなくなっていると指摘しています。YAMAHAは来シーズンDucatiへ移籍するJorge Lorenzoの後任に、Tech3からの昇格ではなく、SuzukiからMaverick Vinalesを引き抜きました。実際に、現在グランプリを席巻するLorenzo、Marc Marquez、Valentino Rossiの3人も、サテライトを経ずダイレクトにファクトリーチームと契約しています。

「私はこれまでずっと言ってたんだ。我々はYAMAHAの組織の一部、ジュニアチームであると。しかし今でも本当にそうだろうか?」

「答えはハッキリと”ノー”だ。最後にウチからファクトリーにステップアップしたのはいつだと思う? 2010年のBen Spiesだよ。けれど彼は本当の意味でのTech3ライダーではなかった。ヤマハのファクトリーライダーとして、既にWorld Superbike Championshipで勝っていたからね」

「それに明らかに今のBチームは、SuzukiやDucati(&ApriliaやKTM)のような新規のファクトリーチームのことを言うんだ。それがBプラスなのかAマイナスなのか何かなのかはよくわからないけどね」

「Alex Rins(現Moto2)が良い例だ。彼はハッキリと「ファクトリーのシートが欲しい」と言ってたよ。彼には我々と同じ個人スポンサー(Monster Energy)がいるので、最有力候補になるのはごく自然なことなんだがね」

「けれど来年のYAMAHAファクトリーは誰だ? Suzukiは? 我々が交渉できるのはファクトリーのシートが決まってからだ。Tech3加入がYAMAHAファクトリーへの最短ルートかって? 今は全くそうとは思えないね」

「もちろん難しい決断だよ。魅力的なライダーがいなければ、スポンサーを惹きつけられないし、スポンサーがいなければ、有力なライダーを得られないという、負のサイクルに陥ってしまうんだ。独立チームの未来について私は今かなり憂慮しているよ」

Original source:Tech 3: We have a competitive bike that nobody wants